親が子どもに対して適切に関わることができれば、その子どもは自己肯定感を持つことができると言われています。反対に、親の接し方次第で、こどもは自己肯定感を持ち損なうこともあるとされています。
自己肯定感とは
よく耳にするようになった<自己肯定感>という言葉。
自己肯定感とは
自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する語。
自己否定の感情と対をなす感情とされる。
出典 実用日本語表現辞典
つまり、「私ってすごい」「僕にもいいところがある」「生きていて楽しい」という感情。良い面もそうでない面もひっくるめて、自分自身を好きになることです。
自己肯定感が高いと、意欲的に物事に挑戦したり、積極的に人間関係を築いたりすることができます。
反対に自己肯定感が低く「私はダメな人間だ」と感じると、挑戦しようとする気持ちが湧かなかったり人間関係を築きにくくなったりします。
子ども達にどう育ってほしいかというと…もちろん前者ですね。
自己肯定感を高めるには
では、自己肯定感を高めるために、親はどのようなことができるでしょうか。
それは、信頼関係の中でこどもを認めること・たくさん体験させることが大切だとされています。
具体的には、普段からできることとして、以下のようなことがあります。
目を見て話を聞く
家事や仕事でママは毎日本当に忙しいですが、子どもが何か話している時はなるべく目を見て話を聞いてあげるようにします。
そうすると、「ちゃんと聞いてくれている」「大事に思ってくれている」と嬉しく思い、また、安心もします。
それが、親子の信頼関係を築く事にもつながります。
同じ言葉でも、目を見て話を聞いてくれているかそうでないかは、受ける印象がかなり違います。
自分自身に置き換えて想像してみると分かりやすいと思います。
例えば、「おいしいね」と話しかけた時、そっぽを向いたまま「うん、おいしいね」と言われるより、「うん、おいしいね」と笑顔で返してくれると嬉しいですよね。
言葉のキャッチボールをすることで、生きた単語や文章が耳に入り、子どもの言葉を引き出すこともできます。
また、思考を整理したり、興味・関心の輪を広げることにもつながります。
たくさん認める
「なんでそんな事するの!?」「早くしてー!」など、小言を言いたくなる場面が毎日たくさんありますよね。
しかし、小言ばかり言われていると子どもは自信をなくします。
それに、子どもはもちろんのこと、言っている親も疲れてしまいます。
小言を言いたくなった時は、少し視点を変えると、ささいなことでもたくさんほめてあげられるようになります。
例えば、
「着替えにすごく時間がかかったけど、自分一人でできた」など。
ただ、ここで気をつけたいのは、結果が出たことだけがほめる対象ではないということ。
できたことはもちろんほめてあげるべきですが、できなくてもがんばった過程を認めてあげることが大切です。
例えば、
自分でズボンを履こうとしたけど途中までしかできなかった時。
「あとちょっとだったね。次はがんばろうね!」も良いですが、「ここまで一人でできたね。がんばったね!」の方が嬉しいし次の意欲が湧くと思いませんか?
視点を少し変えると、たくさんほめてあげられるようになります。
挑戦したけれどできなかった時に、親がガッカリしたり叱ったりすると、失敗をおそれるようになり、挑戦する意欲がなくなってしまいます。
ほめるところが見つけにくい場合には、“ほめる”を意識するよりも、”認める”を意識すると良いと思います。
自分で考える機会をたくさん与え、たくさん体験させる
怪我をさせたくないから、子どもにやらせると時間がかかるから、「これはだめ」「こうしたら?」「ママがやってあげるから貸してごらん」と口や手を出したくなります。
しかしこればかりだと、「ママが言ったからこうする」というように自分で考えることができなくなります。
“考えさせる”と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、”選択”でOK。
今日はどの服を着て出掛けるか、とか、おえかきするとしてもどのペンを使ってどこで描くか、とか、自分で考える機会は普段の行動の中であふれています。
また、画用紙が破れてしまったら、「テープでとめてあげるから貸してごらん」ではなく「どうしようか」と考えを聞いてみます。
もしそこで見当違いな返答をしても、「それは無理だね」ではなくて「それもいい考えだね」とまずは認めてやらせてみると、うまくいかなくても他の方法を考えるようになります。
こどもの力を信じてやらせてみると、意外とできることが多いです。なんでもやらせてみると、面白い発想も聞けるかもしれません。
“自分で考えてできた!”という体験を積み重ねる事で、”自分でできる!”と意欲的に物事に取り組む事ができるようになります。
叱る時は叱る
認める事が大切だと言っても、なんでも自由なわけではありません。もちろん、叱るべきことは叱ります。
危ないことをした時、他の人に迷惑をかけた時など、やってはいけない事を伝えるのも大切です。
叱る時は、「ダメな子」「いつもそう」など人格を否定するのではなく、どうしてそうしたのかという理由に共感し、「あなたのことが大好きだから言っている」ということが伝わればこどもも受け入れやすいです。
他者肯定にもつながる
こうして生まれた自己肯定感は、他者をも大きく包む他者肯定ができるようになります。
「私っていい」「僕もいいところがある」と思えると同時に、「あの子にもいいところがある」とまわりの人のことも認め、豊かな人生を送ることができます。
最後に
日々の生活の中で少しだけ意識を変えてみると、子どもの成長を促すだけでなく、自分自身のイライラも減り、生活がまた少し楽しくなると思います♪
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